
ストーリー
反乱軍との戦いに勝利したマクベスは、ともに戦ったバンクォーと共に、意気高く国王ダンカンの下に馳せ参じる途中、三人の魔女たちに出会う。魔女たちは、マクベスはやがて国王になると予言。思いもよらない予言にマクベスは動揺するが、やがて事態はその予言通りに推移し、ついには自らの手で国王を暗殺してしまう。長年の友をも手にかけ、ひたすら魔女の予言した道を突き進む。
しかしその瞬間から毎夜亡霊に苛まれることとなる。マクベス夫人は錯乱する夫を叱咤し、運命をさらに切り開こうとするのだが・・・・。
作・演出
原作:W・シェークスピア
翻案・演出・美術・衣裳:V・ベリャコーヴィッチ
翻訳:佐藤史郎
出演
マクベス……………………………能登剛
マクベス夫人………………………奥山美代子(文学座)
バンクォー…………………………豊泉由樹緒
フリーアンス(その息子)………三代陽輔
ダンカン(国王)…………………島英臣(俳優座)
マルコム(国王の息子) ……… 大塚航二朗(無名塾)
マグダフ ………………………… 南保大樹
魔女…………E・オフチンニコフ(ユーゴザパト劇場)
魔女…………A・ナザーロフ(ユーゴザパト劇場)
魔女…………清川翔三
魔女…………藤本稜太(フリー)
その他
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(198回例会)
開催:2021年12月8日18時30分開演、12月9日13時開演
会場:川崎市多摩市民館
作品概要
ベリャコーヴィッチ氏最後の演出作品。劇団東演創立60周年のスタートに、ユーゴザパト劇場と提携し、現芸術監督のレウシン氏が演出補にあたり上演する。現在もモスクワでは人気のレパートリーとして続演中だ。近年の『どん底』『ハムレット』『検察官』に続く、ベリャコーヴィッチ氏との共同作業最終章としての『マクベス』公演となる。シェークスピアの「四大悲劇」のひとつ。有名なセリフ「きれいは汚い。汚いはきれい。」魔女たちのささやきが、人の心の弱さを引き出していく。ベリャコーヴィッチ氏の演出は、その恐ろしい魔女たちの様子でさえ、美しい演舞のように感じられる。人の心の弱さ、欲望などをあぶりだしながらも、スピーディで美しい舞台となっている。

劇団東演
1959年1月、戦前からの演出家、八田元夫と下村正夫の両演出家を中心に創立。新劇の歴史のさらなる継承発展を目指し、チェーホフの短編集の脚色上演で出発。近代古典の積極的発掘を旗印にリアリズム演劇の発展と現代社会に鋭く目を向けた創作劇の創造という今に連なるこの二つの路線は、創立以来の柱となっている。 1981年にはロシアから、高名な演出家、A・エーフロス氏を招聘、『桜の園』(チェーホフ)、『ナターシャ』(ツルゲーネフ)を上演し、5年間にわたる氏との舞台創りは、1993年同じロシアの演出家、V・ベリャコーヴィッチ氏との出会いとなり、『ロミオとジュリエット』や『どん底』をはじめとした、数々の衝撃的な舞台創りに発展していくことになった。