1985年に正式発足した町田演劇鑑賞会 は準備回を含めると210回の公演を開催してきました。日本の演劇史に残る名作、秀作ばかりです。

長年、町田演劇鑑賞会を支えてきた大谷会長のインタビュー記事を紹介します。

演劇鑑賞会の活動のきっかけは30歳の時に知人の紹介で「統一劇場」の町田公演を手伝ったこと。
若い頃から新宿の紀伊国屋ホールや下北沢の本多劇場でつかこうへいや柄本明、佐藤B作などの演劇にも足しげく通っていた大谷さんに声がかかった。多くの人に芝居を観てもらいたいと皆に声をかけ、町田市民ホールに600人を集め公演を成功させる。
その公演が終わると演劇鑑賞会を町田に作ろうという動きが興り、大谷さんは準備会のメンバーになる。準備会として1984年11月に地人会「早春スケッチブック」、1985年1月に文学座「マリウス」の公演を成功させる。「早春スケッチブック」では八千草薫や高橋幸治が、「マリウス」では渡辺徹や平佳恵が町田市民ホールの舞台に立っている。
準備会の成功を受け、1985年3月に町田演劇鑑賞会が正式に発足し、青年座「どん底」を上演する。大谷さんは鑑賞会が正式に発足した時は運営委員長、3年後には会長となり現在に至っている。会員は順調に増えていき、井上ひさしが座付き作家だったこまつ座の「頭痛肩こり樋口一葉」では会員が1500名を超え3ステージで上演している。
しかし、娯楽の多様化もあり、全国的に会員が減少するという局面を迎える。会員の減少に伴い3ステージから2ステージ、2ステージから1ステージに上演回数も減っていくことになる。会の財政はいつも苦しかった。そんな苦しい時も頑張ってこれたのは「どんな時も会費を毎月払って、演劇を観ようとする会員がいたから。止めるわけにはいきませんでした。」と大谷さんは当時を振り返る。
2016年2月には法人化し、NPO法人町田演劇鑑賞会となり活動の社会的基盤を作っている。2020年2月の公演「黄昏」から2ステージに移行させている。
大谷さんに思い出に残る演目を聞いてみた。小沢昭一の一人芝居「唐来参和(とうらいさんな)」、文化座「おりき」、こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」、青年劇場「翼をください」を挙げてくれた。特に文化座の「おりき」は老婆役で有名な鈴木光枝が主役の芝居。信州の農村が舞台で、百姓の生活や農作業をよく知る町田の観客がとても喜んで会場が沸き立ったのを今も鮮明に覚えている。観客が喜ぶ姿を見て、しみじみと、鑑賞会を続けてきて良かったと思ったそうだ。(インタビュー抜粋)

2020年 (189回~192回)

きらめく星座

しゃぼん玉(劇団文化座)
砂塵のニケ(劇団青年座)
きらめく星座(こまつ座)
黄昏(CATプロデュース)

※コロナ禍のため、2公演が中止に。

2019年 (183回~188回)

アルジャーノンに花束を

法定外裁判(劇団NLT)
アルジャーノンに花束を(劇団昴)
冶天ノ君(劇団チョコレートケーキ)
ら・ら・ら(劇団朋友)
蝋燭の灯、太陽の光(劇団民藝)
柳橋物語(劇団前進座)

2018年 (177回~182回)

三 婆

オペラ・アルレッキーノ(こんにゃく座)
蜜柑とユウウツ(グループる・ぱる)
蟹工船(東京芸術座)
三婆(劇団文化座)
怪談 牡丹燈籠(文学座)
マレーネ(T-PROJECT)

2017年 (171回~176回)

からゆきさん

ミュージカル 青空の休暇(イッツフォーリーズ)
萩咲く頃に(トム・プロジェクト)
謎解き河内十人斬り(劇団1980)
からゆきさん(劇団青年座)
櫻の園(ユニコーン)
音楽劇 人形の家(俳優座劇場)

2016年 (165回~170回)

切られお富

横浜短篇ホテル(劇団青年座)
切られお富(劇団前進座)
集金旅行(劇団民藝)
臨界幻想2011(秋田雨雀・土方与志記念青年劇場)
Be My Baby(加藤健一事務所)
女の一生(文学座)

2015年 (159回~164回)

殺人同盟

ミュージカルフロッグとトード (シーエイティプロデュース)
眼のある風景-夢しくれ東長崎バイフー寮 (劇団文化座)
殺人同盟 (劇団NLT)
真砂女(劇団朋友)
十二人の怒れる男たち (俳優座劇場プロデュース)
をんな善哉 (劇団青年座)

2014年 (153回~158回)

海霧

フレディ(テアトル・エコー)
海霧(劇団民藝)
樫の木坂四姉妹(劇団俳優座)
オペラまげもん-MAGAIMON(オペラシアターこんにゃく座)
その場しのぎの男たち (劇団ヴォードヴィルショー)
化粧(こまつ座)

2013年 (148回~152回)

音楽劇 わが町

OH!マイママ(劇団NLT)
百枚めの写真 一銭五厘たちの横丁(トム・プロジェクト)
ハムレット(劇団東劇)
さくら色オカンの嫁入り(シーエイティプロデュース)
音楽劇 わが町(俳優座劇場)

2012年 (143回~147回)

王女メディア

赤シャツ(劇団青年座)
ミュージカル タップ★ジゴロ(博品館劇場)
てけれっつのぱ(劇団文化座)
どん底(劇団東劇)
王女メディア(幹の会+リリック)

2011年 (138回~142回)

音楽劇 詩人の恋

殿様と私(文学座)
音楽劇 詩人の恋(加藤健一事務所)
アパッチ砦の攻防(劇団ヴォードヴィルショー)
はい、奥田製作所。(劇団銅鑼)
お豆腐狂言(茂山千五郎一門)

2010年 (133回~137回)

三屋清左衛門残日記 夕映えの人(俳優座)
落語芝居「芝浜」 (劇団1980)
ダモイ~収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (トム・プロジェクト)
令嬢ジュリー(エイコーン)
6週間のダンスレッスン(CATプロデュース)

2009年 (128回~132回)

賭けること(コットンクラブ)
出番を待ちながら(木下事務所)
桜散る、散るもつもるも三春乃一座(劇団だるま座)
二人の老女の伝説(劇団文化座)
嫁も姑も皆幽霊(劇団NLT)

2008年 (123回~127回)

ドライビングミスディジー(劇団民藝+無名塾)
ルームサービス(テアトル・エコー)
曾根崎心中(TNRT)
流星ワゴン(劇団銅鑼)
蔵のある家(平野企画)

2007年 (118回~122回)

アフリカの太陽(演劇集団円)
月光の夏(劇団東演)
フィガロの結婚(こんにゃく座)
紙屋町さくらホテル(こまつ座)
天使の梯子(海市kaishi工房)

2006年 (113回~117回)

音楽劇母さん(山彦の会)
天国までの百マイル(劇団文化座)
明石原人~ある夫婦に物語(劇団民藝)
少女と老人のポルカ(一跡二跳)
竜馬の妻とその夫と愛人(東京ボードヴィルショー)

2005年 (108回~112回)

MIRACL(イッツフォーリーズ)
八月に乾杯!(俳優座)
あゝ東京行進曲(劇団1980)
いちのぼうにふろう物語(無名塾)
片づけたい女たち(グループる・ばる)

2004年 (103回~107回)

PIAF(ピアフ)愛の賛歌(エイコーン)
高き彼物(俳優座劇場プロデュース)
小栗判官照手姫(横浜ボートシアター)
私生活(シルバーライニング)
お豆腐狂言(茂山千五郎家)

2003年 (98回~102回)

アテルイ(わらび座)
みすゞ凛々(劇団えるむ)
頭痛肩こり樋口一葉 (こまつ座)
女たちのジハード(朋友)
ジョセフィン(地人会)

2002年 (93回~97回)

奇跡の人(東京演劇アンサンブル)
バタフライはフリー(NLT)
海はいのち(荒馬座)
國語元年(こまつ座)
あめ時計(海市一工房)

2001年 (88回~92回)

声のドラマシアター(青二&エコー)
歌芝居「魔法の笛」(こんにゃく座)
黄金色の夕暮れ(俳優座)
紙屋悦子の青春(新人会)
三人吉三巴白波(劇団前進座)

2000年 (83回~87回)

たそがれてキッチン(劇団NLT)
ら抜きの殺意(テアトル・エコー)
黄落(劇団民藝)
グッバイ・チャーリー((株)三生社)
しのだ妻考(京楽座)

1999年 (78回~82回)

きらめく星座 (こまつ座)
十二夜(幹の会+リリック)
欲望という名の電車(エイコーン)
ラヴ・サーティ(STEPS)
パパのデモクラシー(二兎社)

1998年 (73回~77回)

グレイクリスマス(劇団民藝)
翼をください(青年劇場)
父と暮らせば (こまつ座)
青春デンデケデケデケ(劇団文化座)
貞子(プロデュースセンター)

1997年 (68回~72回)

賢者の贈り物(劇団京)
ブラック・コメディ(博品館劇場)
再会(IMAGINE)
橙色の嘘(東京芸術座+劇団銅鑼)
リア王(幹の会+安沢事務所)

1996年 (63回~67回)

雨(こまつ座)
幸福(劇団朋友)
十六夜心中(劇団尚)
叔母との旅(演劇集団円)
おお、星条旗娘!(シルバーライニング)

1995年 (58回~62回)

湯気はれて(演劇集団「五色の花」)
週間金色夜叉(劇団東演)
熱い風(オフィスSHIMA)
筑前竹人形(地人会)
アイラブ坊ちゃん(劇団青年座)

1994年 (53回~57回)

影法師(撫子の会)
見果てぬ夢(イッツフォーリーズ)
楢山節考(劇団手織座)
女房という他人(劇団NLT)
お楽しみ観劇会(琵琶、尺八、筝の調べ。沢滝=門下)

1993年 (48回~52回)

すべってころんで(関西芸術座)
私はシャーリーバレンタイン(博品館劇場)
心に海をもつ男(愚安亭遊佐)
山彦ものがたり(山彦の会)
ガイジン(劇団民藝)

1992年 (42回~47回)

茂山千五郎家の狂言(茂山千五郎一門)
チェンジ(音楽座)
百年がたり(愚安亭遊佐)
荷車の歌(劇団文化座)
がめつい奴(蝉の会)
デストラップ(オフィスナイン)

1991年 (36回~41回)

ばらばら(劇団NLT)
エマ(劇団民藝)
ズボンがない(テアトル・エコー)
化粧(地人会)
あかきくりびるあせぬまに(劇団文化座)
朝は七時(俳優座)

1990年 (30回~35回)

似顔絵の女(文学座)
セイム・タイム・ネクストイヤー(加藤健一事務所)
恋の最終便(パルコ)
びっくり箱(劇団文化座)
からゆきさん(劇団青年座)
じゃじゃ馬ならし(シェークスピアシアター)

1989年 (24回~29回)

アイガットマーマン(博品館劇場)
毒薬と老婆(劇団NLT)
花いちもんめ風の如く(地人会)
セールスマンの死(劇団昂)
闇に咲く花(こまつ座)
国境のある家(劇団青年座)

1988年 (18回~23回)

さぶ(劇団前進座)
第二章(加藤健一事務所)
三婆 (劇団文化座)
はなれ瞽女(ごぜ)おりん(地人会)
初蕾(新人会)
間違いの喜劇(シェークスピアシアター)

1987年 (12回~17回)

特別鑑賞会(永六輔他)
愚かな女(劇団NLT)
ボーイング・ボーイング(パルコ)
越後つついし親不知 (劇団文化座)
俺たちは天使じゃない(イッツフォーリーズ)
世の中みんなテスト病(劇団NLT)

1986年 (6回~11回)

ブライトンビーチメモリー(翔企画)
歌え!悲しみの深き淵より(劇団東演)
唐来参和(しゃぼん玉座)
セツアンの善人(劇団俳優座)
弥次喜多(劇団青年座)
ピアフ(地人会)

1985年 (準備回~5回)

きぬという道づれ(番衆プロ)
華々しき一族(文学座)
おりき(劇団文化座)
ヴェローナ物語(音楽座)
頭痛肩こり樋口一葉(こまつ座)
どん底(劇団青年座)
マリウス(文学座)

1984年 (準備回)

早春スケッチブック(地人会)