ミュージカル「おれたちは天使じゃない」(イッツフォーリーズ)

ストーリー

ある年の大晦日、雪深い山荘に三人の脱獄囚が逃げ込んで来た。三人は「ねじ釘の哲」「泉の三太」「キャンパスの助六」と呼ばれている、人を殺した凶悪犯だった。三人は偶然迷い込んだその山荘で、心ならずも心中しようとしていた父娘を助けてしまう。
 遺書によると父親の明は、借金を苦に自分だけが死んでしまうと、遺された末娘の光子は知的障害があるため、生きていくのが困難だろうと思い悩んだ末の無理心中だった。意識を取り戻した光子は、自分を助けてくれた脱獄囚たちを“天使”だと思いこんでしまうのだった。
買い物から帰って来た姉娘のエミは、父と妹が心中しようとしていた事を知って愕然とする。そして、家の中には見知らぬ怪しげな男たちが三人………。
そこへ父娘が自殺を図る原因となった人物である、父親の従兄弟の黒川とその息子でエミの婚約者の始が何も知らずに訪ねて来て。

作品紹介

ミュージカル『おれたちは天使じゃない』は、1974年に初演され、圧倒的な評判を呼び、繰り返し上演されている劇団フォーリーズの財産ともいえる作品。上演回数は1500回を越えている。  
原作は、アルベール・ユッソンの戯曲。ミュージカルになったのはこれが初めてで、ほとんど原作から離れて独自な魅力のある作品となっている。
いずみたくの音楽は、テーマ音楽「翼のない天使」の美しいメロディーがいつまでも心に残り、クライマックスで歌われる「今、今、今」は力強い感動的な名曲として知られている。これこそまさに“日本の創作ミュージカルの原点”と言われる作品。

作・演出・出演

脚本:矢代静一
音楽:いずみたく
脚本/作詞:藤田敏雄 
演出:金澤菜乃英
出演:横堀悦夫、吉田雄、藍実成 他

開催

2022年11月24日(木)18時30分開演/
11月25日(金)13時開演
会場:川崎市麻生市民館(小田急新百合ヶ丘駅徒歩5分)

イッツフォーリーズ

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズは、1977年に作曲家いずみたくが設立した日本のミュージカル劇団。旧劇団名は「いずみたくフォーリーズ」。六本木の小劇場「アトリエフォンテーヌ」を本拠地に活動していたが2012年に東京都台東区に移転している。
いずみたくは、永六輔と出会いミュージカル「見上げてごらん夜の星を」を1960年に創ります。以来、日本人による日本語のオリジナルミュージカルを創ることに生涯を捧げます。1992年に亡くなるまで32年間で創ったミュージカルは114本。
歌謡曲の作曲家としても著名で「見上げてごらん夜の星を」「ともだち」(坂本九)、「希望」(岸洋子)、「いいじゃないの幸せならば」(佐良直美)、「夜明けのスキャット」(由紀さおり)など数多くの名曲を残している。