「ある八重子物語」劇団民藝+こまつ座
ストーリー
舞台は、昭和16年から敗戦直後の昭和21年にかけての柳橋・古橋医院。ここに集う人びとは、水谷八重子に心酔する古橋院長を筆頭に、看護婦、女中まで全員が大の新派マニア。患者の身の上話もたちまち「婦系図」風の筋書きに。そこへ八重子そっくりの「音楽のような声」をもつ芸者花代が登場、恋愛事件もわきおこって大騒動。はたまた「女形の研究」に熱中するあまり、入営日に寝過ごし徴兵忌避者になってしまう大学生もからんで……。
作、演出、出演
作:井上ひさし
演出:丹野郁弓
出演:日色ともゑ、中地美佐子、篠田三郎他
開催
2023年2月23日(木)18時30分開演 /
24日(金)13時00分開演
会場:町田市民ホール
作品紹介
新劇から出発して新派で活躍した初代・水谷八重子(1905~1979)。「世の中がいまより少しでもましになりますように」という新劇の考え方に影響を受け、〈女優〉という新しい職業の確立をめざした時代の先駆けとして知られています。
『ある八重子物語』は、この初代水谷八重子をめぐる舞台なのですが、八重子が登場するわけではありません。物語は、全員が熱烈な八重子ファンという医院を舞台に進行します。
戦前・戦中・戦後。とある病院を舞台に、新派を愛する人びとによって語られる八重子の芸と生きざまとはーー。
井上ひさし流の爆笑とユーモラスな筆致で、『滝の白糸』『婦系図』『日本橋』『明治一代女』など新派劇の代表的な舞台や名台詞も散りばめられて物語が展開します。